- el estudio de arquitectura miyahara -
 
House_TTN 都市の拡大家族の家
それぞれ別々に居住していた親世帯+子世帯ご夫婦×2組の3世帯が、子供達の誕生を機に同居されることになった時、いったいどの様な住宅が必要なのでしょうか? 共有のスペース(コモンデッキ)と特殊な構造体で、様々な問題を解決しようと試みた住宅です。

1階は後々のバリアフリーも考え親世帯、2,3階の左右に妹世帯、姉世帯が配置されています。各世帯には、それぞれキッチン・浴室があって、独立して生活する事も出来ますが、1階の大きなリビング、2,3階の中央に有る共有の半屋外デッキを活用する事で、より便利に、より楽しく生活出来るように計画されています。
建物の中央部を居室ではなく半屋外とする事は、スペース確保という面では余り効率的とは言えませんが、実はそれ以上に大きな目的の為に決定された事でした。このTTN邸(3世帯の名字の頭文字を並べたものですが)、後々もしお望みならば建物中央から敷地もろとも真っ二つに分離出来、独立した二つの住宅としても機能するように設計されているのです。この保険ともいえる性能のおかげで、施主の皆さんは積極的に共同生活を楽しめる事になったのです。また間取りや外観が少々特別になった事も同じ要因からです。

独立したそれぞれの家族が、もう一つ大きな家族としてより良く暮らす家、「都市の拡大家族の家」と名付けられました。


※ House_TTNは、2007年に東京ガスが主催する、第9回あたたかな住空間デザイン・コンペティション 住宅デザイン部門で優秀賞を受賞致しました。